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民法の改正 児童虐待防止のための親権に係る制度の見直し その4 [民法]

親権停止の審判の制度の創設

要綱案 第2
2 親権停止の審判
① 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは,家庭裁判所は,子,その親族,未成年後見人,未成年後見監督人又は検察官の請求により,その父又は母について,親権停止の審判をすることができるものとする。
② 家庭裁判所は,親権停止の審判をするときは,その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間,子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して,2年を超えない範囲内で,親権を停止する期間を定めるものとする。

現行制度は,親権(全部)の喪失の制度がありますが,親権(全部)の停止(一時的制限)の制度はありません。今回,これを新たに創設しようというものです。

日弁連も日司連も,これに賛成しています(「児童虐待防止関連親権制度部会資料7」)。

日弁連
親権の一時的制限制度の創設は,①親権者が親権回復をあきらめずに,回復の希望を持ちながら裁判所や児童相談所等の指導に従う可能性が高まること,②児童相談所等にとっても,親権者との関係性を維持しながら指導を行いやすいこと,③裁判所の選択肢が広がり,個々のケースの特性に応じた対応が可能となることから,必要性が高い。

日司連
親権喪失後の親子の再統合を考えた場合,現行制度にはない親権制限の期間を限る制度を設けるのが相当である。親権喪失事件の認容割合が低い理由の一つとして,親権制限が硬直的であることが考えられるので,現行の親権制限の在り方については見直す必要がある。

親権停止の原因については,親権の喪失の原因が,「父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するとき」とされるのに対して,「子又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」とされています。

親権停止の審判の申立人は,親権の喪失の宣告の申立人と同一で,「子,その親族,未成年後見人,未成年後見監督人又は検察官」とされています。

親権停止の期間は,家庭裁判所が,2年を超えない範囲内で定めるものとするとされています。案としては,原則として,2年間として,家庭裁判所が,特別の事情があるときに2年を超えない範囲内で期間を定めて停止(一時的制限)をするというものもあったようですが,家庭裁判所が,事案ごとに「その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間,子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して,」相当な期間を定めるものとされました。

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コメント 3

隼

現民法は,第834条の条文見出しとして,親権の喪失の宣告とし,条文の文言として,親権の喪失を宣告としています。これにならえば,親権の停止については親権の停止の宣告となるのでしょうが,要綱案に関する資料中には,親権停止の審判と出てくるので,見出しを親権停止の審判の制度の創設としました。

この機会に,宣告ではなく,審判という表現にしようというのであれば,民法834条~836条の改正も要することになりますが,さて,どうでしょうか。禁治産宣告が後見開始の審判となったように(民法7条)ここでも,審判という表現にするのかなと思うところです。
by (2011-01-19 21:14) 

隼

親権停止の宣告という表現が残っていましたので,親権停止の審判に改めました。02.02
by (2011-02-02 19:58) 

隼

条文は,要綱の表現のように親権の停止の審判とされ,親権の喪失についても,宣告から審判と表現が改められました(管理権の喪失についても同じです)。親権の喪失について「宣告」のままになっていたのに気付きましたので,その3の回の該当箇所を書き換えました。
by (2011-11-15 20:56) 

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